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【2】人生の転機となったキャンプ

 2000年に初めてボランティアをしてから、会社で募集のあった活動に数回参加した2002年のことです。そろそろ初心者を卒業して、「少し本格的な活動をしてみたい」と考えていました。そんなとき、会社で「ふれあい合同キャンプ」の参加者募集がありました。さまざまな障害のある子どもが参加する2泊3日のキャンプで、私にとっては「適度にチャレンジング」な活動に思えました。

 まずは、当時書いた感想を読んでください。活動終了後に社員向けに書いたものです。

*** 以下 当時の記録より抜粋引用 ***

 2002年8月18日から2泊3日の「ふれあい合同キャンプ」に、スタッフとして参加しました。障害をもつこどもたち(50名)が、親元を離れてスタッフ(50名)とキャンプを楽しむものです。SLに乗ったり蕎麦を打ったりゲームをしたりと、こどもたちは普段できない経験に目を輝かせていました。
 このキャンプは22回の歴史があり、スタッフの意欲と責任感も強く、運営がとてもしっかりしています。最大の特徴は、さまざまな障害(視覚・聴覚・てんかん・自閉症)をもつこどもたちが参加することです。障害があっても自分のできることで友達と助け合い、全員が主役のキャンプにしようというものです。障害をもたないこどもも参加しており、まさにこれが本来の社会だと思いました。

 スタッフは数回の事前打合せで企画に携わり、当日はチームでこどもを介助します。食事・トイレ・風呂の介助はもちろん、夜も同じ部屋で一緒に寝ます。時間が経つにつれて素顔が見えてきて、気持ちが通じてきます。3日間はあっという間でした。
 私は何度かボランティアの経験はあったものの、まだまだ経験不足で失敗もしました。しかし、他のスタッフやこどもたちに助けられて、楽しいキャンプを過ごすことができました。そして、こどもたちのキラキラした笑顔から、1年分のパワーを充電させてもらいました。文字通り寝食をともにしてふれあうことにより、障害についての理解も深まりましたし、少しだけ自信もつきました。
 こんなすばらしいキャンプは、是非たくさんのひとに経験してほしいものです。「ボランティアはしたことがあるが、今度は少し本格的な活動に参加してみようかな」という方に最適です。いろんな個性にふれあえて、とにかく楽しいキャンプです。来年はみなさんも参加してみませんか?

*** 以上 引用終わり ***

キャンプ

 続いて、終了後作成した文集の原稿をご紹介します。いささか興奮気味で、少し恥ずかしいのですが・・・。上記の感想と、一部内容が重複することをご容赦ください。

*** 以下 当時の原稿より抜粋引用 ***

 とにかく楽しい3日間でした。
 私は今回が初参加で、初日はどうしたらよいか迷いながら過ぎてしまいました。2日目・3日目と時間がたつにつれて、キャンパーや他のスタッフとコミュニケーションが深まり、居心地がよくなってきました。それは周りのみんなも同じだったようで、それぞれの素顔が見えてきて、気持ちが通じてくるのがとてもうれしかったです。
 このキャンプは、22回の歴史をもつだけあって、運営のすばらしさが印象的でした。実行委員の皆さんの経験と自信、若いスタッフの意欲と責任感には感心しました。皆さんのおかげで楽しいキャンプを過ごせました。ありがとうございます。
 キャンパーのみんなにも感謝です。みんなのキラキラした笑顔と明るい笑い声はサイコーでした。3日間で1年分のパワーを充電させてもらいました。 
 こんなすばらしいキャンプは、是非たくさんの人に経験してほしいものです。私も含めていろんな個性や特徴をもつひとが協力して、地球は生きているのだと思います。日本の「会社員」も、もっといろんな個性にふれあえばいいのに。このキャンプも閉じないで、少しずつ広がっていってほしいと思います。
 「ふれあい合同キャンプ」の皆さん、「全員が主役」のこのキャンプ、ずっと続けましょう。参加してよかった!

*** 以上 引用終わり ***

 このキャンプがユニークなのは、「さまざまな障害のある子と、障害のない子が参加する。」という点です。このようなキャンプは、「特定の障害のあるひとが参加して、障害のないスタッフが支援する」というのがよくある形だ思います。ところがこのキャンプでは、障害のある子も他の子を支援します(ex.聴覚障害の子が視覚障害の子の手を引く)。スタッフにも障害のあるひとがいます。まさに「全員が主役」なのです。

 「障害の有無や種類・重度にかかわらず、さまざまなひとが支えあっていけばいい」ということを、参加者は3日間を通じて感じることができます。また、障害のある子も「誰かを支えることができる」という自信を得て帰っていきます。その後、私は「ひとは互いに共通点と相違点がある。それだけ。」と考えるようになるのですが、このキャンプでそのもとになる考え方を、知ったような気がします。(残念ながらこのキャンプは、現在は行われていません)

 さて、このキャンプは、私にとって人生の転機となりました。この頃、私はボランティア休職制度(後述します)のことを知り、具体的にどんな活動をしようか、いろいろ調べていました。しかし時々、「やはり休職はやめよう」と思ったり、とても揺れている時期でした。
 そんなある日、私は会社から「指名留学」の打診を受けます。会社が私を評価してくれたことは、とても嬉しかったです。しかし、留学するとその後の休職は不可能になります。とても迷いました。結論を出す期限までの数日間に、ちょうどこのキャンプの事前ミーティングがありました。ミーティング会場に向かう朝は、「休職はやめて留学しよう。でも渡航前のこのキャンプには参加しよう。」と思っていました。しかし夕方の帰り道では、「やっぱり留学はお断りして休職しよう。」と心変わりしていました。
 この時すでに、「なんとも言えない満足感」を与えてくれるボランティアの世界は、私にとってとても大切なものになっていました。このミーティングの日、キャンプのスタッフに会ってそれを改めて強く感じ、休職を決意したのだと思います。その日歩いた早稲田の街のことを、今でもよく覚えています。

 あのとき、このキャンプに参加していなかったら、休職はやめていたと思います。そして、その後の仕事は全く違っていたでしょう。地域の人たちに出会うこともなく、NPOに関わることもなかったかもしれません。
 このキャンプの翌年初から、私は2年間のボランティア休職期間に入ります。

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※この記事の元記事(ブログ『ボランティア雑記帳』)
 転機となったキャンプ(1)
 転機となったキャンプ(2)
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