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【2】ボランティアの心構え

 ボランティアをはじめるに当たって、知っておいた方がよい「心構え」にはどんなことがあるでしょうか。
 よく、次のようなことが言われます。「挨拶をする」、「約束・時間を守る」、「秘密を守る」、「コミュニケーションを大切にする」、「協力する」、「周囲の理解を得る」。
 しかし、これは「ボランティアの心構え」ではありません。何をするにも必要な「あたりまえのこと」です。中学生や高校生なら部活や委員会活動、社会人であれば仕事をするときの心構えとしても同じことが言えます。ですから、これは前提としてあたりまえの必須事項です。

 では、ボランティア特有の「心構え」は何でしょうか。私は一言でいうと「両方OK」だと考えています。
 ①相手がOK・・・相手が活動を望んでいる。迷惑でない、負担に感じていない。相手が受け入れてこそできる。
 ②自分もOK・・・自分が活動を望んでいる。活動していて楽しい、満足している。無理していない、断ることができる。
 ボランティアは、「両方OK」で初めて成り立つものだと思います。
 ※ここでは、主に相手が存在するひとと関わるボランティアを想定しています。中には当てはまらないボランティア活動もあるかもしれません。

・協力小

 私は「両方OK」ではないボランティアを「困ったボランティア」と呼んでいます。「困ったボランティア」には、「相手がOKでない編」、「自分がOKでない編」、「相手も自分もOKでない編」の3種類があります。

 まずは「相手がOKでない編」です。
 ①押しつけるボランティア・・・被災地で「手伝いに来ました。ここ片づけますね。」などと言って、相手の了承を得ずに自分の判断で家の中の物を移動したり処分したりすると、相手が混乱したり大切な物がなくなったりします。また、被災地に古着などを勝手に送ってしまう行為も、善意からだとは思うのですが、現地が混乱していると仕分けなどが負担になる場合があります。本当に必要な物を優先的に届けるようにしたいものです。

 ②いばるボランティア・・・「助けてるんだから、感謝されてあたりまえ」という気持ちで活動するのはよくありません。初期の被災地は混乱していて、ボランティアのコーディネートが機能しずらい状況では、ボランティアに活動を指示するのに時間が必要な場合があります。そんなとき、「休みを取ってわざわざ来たのに、こんなに待たせるとはどういうことだ」などと、不平を言ってしまうボランティアがいます。状況によって自分にできることを探して、協力して貢献したいものです。

 ③おせっかいなボランティア・・・高齢者や障害者のサポートをする場合に、「私がやりますからいいですよ」とか「危ないからそんなことしちゃダメ」などと言って、相手の行動に口出ししてしまうひとがいます。ご本人の意思を尊重して、必要なことをサポートするようにしたいものです。だばこを吸う、ギャンブルを楽しむ、アイドルのグッズにお金をかける、などについても、ボランティアの価値観はさておき、相手の意思を尊重すべきと考えます。(「愚行権」と呼ぶひともいます)

 続いて「自分がOKでない編」です。
 ①言えないボランティア・・・頼まれると断れずに、無理して頑張ってしまう。辛いのに、楽しいふりをしてしまう。これでは長続きしませんし、無理していると相手に伝わります。相手に伝わると、相手は遠慮して活動を受け入れてくれなくなります。自分には難しかったり、向いていない活動の場合は、「ごめんなさい、それはできません」と率直に伝えることも大切です。

 ②燃え尽きるボラ・・・頑張り過ぎて倒れてしまい、支援される側になってしまう場合があります。かえって相手に負担を増やしてしまったのでは、なんとも残念です。また、全てを背負おうとして頑張ってしまっても、当然のことながらひとりでは全部は解決できず、無力感から活動を離脱してしまうひともときどきいます。自分にできることを無理せず続けることで、結果的により大きな貢献ができるようにしたいものです。

 最後は「相手も自分もOKでない編」です。
 指示待ちボランティア・・・具体的な指示がないと、自分は必要ないのではないかと不安になるひとや、「せっかく来てやったのに仕事がない」と怒り出すひとがいます。情熱と勇気をもって活動に臨んだのに、活躍の場がないと残念になる気持ちはわかります。しかし、仕事や活躍の場は、状況をみて自ら探しだしたいものです。

・外国人小

 では、このような「困ったボランティア」にならないためには、どうしたらよいのでしょうか。
 「相手がOK」であるためには、①相手の気持ちを知ろうとする、②知ったらそれを尊重する(たとえ自分と違っても←ここ重要です)、③活動できることに感謝する、の3点に気をつけるとよいと思います。
 一方「自分がOK」であるためには、①全部自分で解決しようとしない、②できないことは誠意をもって断る、③役に立てなくてもがっかりしない、④自分の居場所は自分で見つける、を心がけましょう。
 「両方OK」で楽しくボランティアをしたいものです。

 「ボランティア」というと、「正義感や責任感から活動している」、「自分を犠牲にして他人のために働いている」、「優しい心と強い信念をもっている」、「普通の人にはできることではない」、というイメージが一般にはあるのではないでしょうか。
 しかし私は、「ちょっとしたキッカケで始めた」、「自分にできることをやっている」、「やっていて楽しい」、「誰にでもできることだ」、と思っています。
 自然体で活動して、長く楽しく続けてほしいと思います。

 私は、ボランティアを縁があって始めて、楽しくて続けてます。同じような人が増えたらいいなと思います。
 いかがでしょうか。この章を読み終わって、「ふぅん、なんか楽しそう」、「私にもできそうな気がしてきた」、「試に何か始めてみようかな」、「新しい自分に出会るかも」、と思っていただけたでしょうか。不安が期待に変わりはじめていたら、とても嬉しく思います。そして、できることからで結構です。できることからはじめましょう。そして、自分のスタイルをつくっていきましょう。そして長く楽しく続けましょう。

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