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2015.05.25 思いは確信に
【4】思いは確信に

 知的障害者の施設に5ヶ月間通った後、今度は身体障害者の施設に5ヶ月間、週2~3回通いました。2年間の休職期間のうち、前半の1年間はとにかく障害のあるひとと一緒に過ごす時間をたっぷり取りたかったからです。

 さて、この施設の概要は、次の通りです。
・身体障害者(成人)の療護施設。
・福祉ホーム、デイサービス、短期入所、ホームヘルパー派遣等の事業も行なう。
・施設利用者約100名(内入所者30名)。
・知的障害との重複障害者や車椅子使用者が多く、難病の利用者もいる。

思いは確信に1

 活動内容は、日常生活の介助と活動支援を中心でした。日常生活の介助とは、車椅子・歩行による移動の介助(施設内・外出)や車椅子への乗降、歯磨き、入浴後のドライヤー、整髪、髭剃り、喫煙、パソコン操作などです。ほとんどの利用者は食事介助が必要で、職員さんと一緒に毎日介助を行ないました。昼食、間食、水分摂取(朝食後・午前・昼食・午後)等です。介助の方法はひとりひとり異なり、その都度職員さんに確認しながら行いました。
 活動支援ですが、施設では曜日によって、スポーツ、パコソン、音楽、調理、創作活動(手芸・紙すき・たまご細工・装飾作り)など、さまざまな活動を行なっていました。利用者さんを介助しながら一緒に活動し、準備や片付けなどの支援を行ないました。また、施設内外で行なわれたイベントの準備と当日の介助も行ないました。(文化祭、音楽発表会、もちつき大会等)
 その他、施設内の清掃、居室の入替、食器洗い、消耗品の補充などの雑用や、個別の利用者さんとゆっくり会話したり、ゲームをしたりという時間も過ごしました。

 活動を通じて、身体障害のあるひとの生活についての理解が深まりました。重度身体障害者は知的障害のある人も多く、日常生活介助(食事・排泄・入浴等)の必要性が高いため、多数の職員が必要であること。多数の職員が交代で勤務するため、情報の共有化と確認が重要であること。職員は介助に追われることが多く、利用者の能力開発などに注力しにくい状況があること、などです。この施設は親の会が母体の新しい施設であるため、先進的な取組みも行なわれていました(個室、小規模なユニット制の運営、地域交流スペース、充実した介助設備)。多数の利用者さんのさまざまな介助を経験し、障害と介助方法はひとりひとり違うことを改めて認識しました。

 利用者さんとの関係づくりにあたっては、知的障害者施設と同様に心を開いて接することに留意しました。このことは、障害の有無や種類・重度にかかわらず基本であると、思っていました。この時は直接介助が必要なだけに利用者さんとの信頼関係は重要で、早めに関係づくりができたことは自信につながりました。利用者さんは、しだいに私とのやりとりを楽しむようになり、私もそれが楽しんでいました。
 職員さんとの信頼関係も深めることができました。職員さんは私に一定の役割を期待するようになり、私はそれに応えるよう努めました。
 誰にでも得意不得意があり、その意味で障害のあるひとも自分となんらかわりない。この事実を理解できれば、あとは友人や同僚との人間関係を築くことと基本的に同じである。このことは知的障害者施設での活動で感じたことと同様であり、障害のあるひととのふれあいの基本であることを確信しました。「こういうことかな」という思いが、この活動を通じて「やはりそうなんだ」という確信に変わった、と言えると思います。

思いは確信に2

 ボランティアの役割についても、いろいろと考える機会がありました。知的障害者施設はボランティアに労働力を期待しておらず、地域の理解促進、外部視点の導入、利用者への刺激を目的として私を受け入れていました。しかしこの施設では上記のような現状から、ボランティアにもある程度労働力を期待しています。そのため、人手不足の現場に労働力として役に立つ一方で、ボランティアならではの領域(プラスアルファ)で、利用者の要望に応えるよう心がけました。
 具体的には、次の通りです。
・技術的に可能な介助は積極的に行なう(食事介助・移動介助)。
・プライバシーに関わる介助(排泄・入浴)は施設と相談のうえで行なう。
・イベントの準備や雑用もできることは積極的に引き受ける。
・そのうえで、多忙な職員にはできないプラスアルファ(ゆっくり話し相手になる、好きな遊びにつきあう、など)に取り組む。

 もうひとつ、施設ボランティア以外の活動も、意識するようになりました。施設を出て自立することを目指している利用者さんと話をするなかで、地域で生活するひとの支援活動への興味も湧いてきたのです。当初の計画は施設での活動をメインとしていましたが、実際に活動していると障害者福祉の「施設から地域へ」の流れとその必要性を感じました。そして、ボランティア休職後半の1年間は、施設以外の活動に軸足を移していくことになります。

 この期間、いろいろな立場のひととの出会いも多く、たくさん刺激をもらいました。
 異業種から転職した職員さん、ヘルパー資格取得中の主婦実習生、囲碁ボランティアのリタイヤ男性、NPO設立計画中の中年男性実習生など、それぞれ経歴や展望をもち奮闘していました。私も自分のことを話すと興味をもって聴いてくれました。福祉就職を目指す若い実習生の方に、「若輩者が僭越ですが、人生の途中でも気づいて行動することが大切だと思います。」と言われたことが印象に残っています。

 私はこの施設での活動を通じて、信頼関係づくりについての自信を深めました。これまでの活動で得たものが、間違いなかったと思えたからです。そして、食事介助をはじめとした直接介助も経験でき、身体障害や重複障害への理解も深まりました。さらに、施設だけでなく地域での生活を支援することの必要性を感じ始めたのも、この活動を通してでした。
 このように、私はここから少しだけ自信をもらい、このあとの活動へのヒントももらった、と言えると思います。それも、私を受け入れてくれた利用者さん、ご家族のおかげです。そして忙しいなか、素人の私に「いろはのい」から教えてくださった職員の皆さんにも、心から感謝しています。

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※この記事の元記事(ブログ『ボランティア雑記帳』)
 自信となった活動「M」(1)「活動内容」
 自信となった活動「M」(2)「成果と感想」
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