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第7章 その他の主な活動
 ~コーディネーターとスキルアップ~


 これまでご説明した以外の主な活動をふたつご紹介します。
 ひとつめは「赤十字語学奉仕団」(以下「語奉」)です。赤十字語学奉仕団は、赤十字の理念に基づいてボランティア活動を行う団体です。また日本赤十字本社直轄の団体のひとつで、特殊奉仕団(主に語学を活かしたボランティア活動)であり、2015年に50周年を迎えます。(語奉のホームページより)
 1964年に東京で開かれた国際身体障害者スポーツ大会における通訳ボランティアを母体として設立されました。東京オリンピックが終了した際、「このまま解散したのでは残念だ」ということで赤十字の団体として存続し、語学を活かした奉仕活動を続けてきた、と聞いています。
 主な活動は、海外から来日した障害者の介助ガイド、通訳、翻訳、国際交流等です。団員は約200名で、会社員、主婦、学生などで、帰国子女の方や海外勤務経験のあるリタイアされた方も、参加しています。

 初めて団員になった2002年当時、私は自分に向いたボランティア活動を探していました。2000年に初めてボランティアをしてから、会社で募集のあった活動等に参加していたのですが、自分らしい活動を見つけたいと思い、いろいろ調べてみました。
 ある日、Webで語奉を見つけました。当時、障害者関係のボランティアをする一方で、国際協力にも関心があり、「語学を手段として介助等の活動をする」という内容が、自分にピッタリだと思いました。そして入団説明会に参加し、2002年春に団員となりました。

 語奉の特徴のひとつに「充実した研修プログラム」があります。入団すると「基礎研修」として、視覚障害者の介助、車椅子の介助、聴覚障害(手話)、通訳等の研修が行なわれます。この研修は、知識や技術を学ぶというよりも、自分はどうするべきかを考えるプログラムになっていて、勉強になりました。
 また、夏には1泊2日の合宿があって、テーマを決めて実習や勉強会が行なわれます。私が入団した年は、「来日した外国人の障害者グループを連れて、鎌倉をガイドする」という設定でした。事前にプランを立てた上で、当日実際に車椅子等を使用して鎌倉をガイドし、実習の後で反省会を開きました。グループの設定が様々な障害種別や宗教をもつようになっていたり、鎌倉は車椅子が移動しにくい街だったりして、こちらもとても勉強になりました。

 いくつかある活動のうち、私は「介助ガイド」の活動を中心に参加しました。主な活動は次の通りです。
(1)JICA「視覚障害者支援技術コース」研修補助
 ・発展途上国の研修生に、視覚障害者のパソコン活用技術を伝授する研修。
 ・実技講習のアシスタントとして、技術指導と通訳で研修生を支援する。
 ・団員のべ約30人参加。
(2)JICA「専門家コース」、「障害者リーダーコース」研修補助
 ・発展途上国の障害者活動のリーダーを対象とした研修。
 ・講義と施設見学で研修生に随行し、介助と通訳補助を行なう。
 ・団員のべ約50人参加。

 活動を通じて、様々な国の研修生と話ができ、視覚障害や車椅子等の介助の経験ができました。明るく前向きに生きる研修生との交流は刺激的でした。また、研修生の施設見学に随行したため、都内有数の障害者施設を訪問することができ、私自身も勉強になりました。

語奉

 2004年はコーディネーターという役割をいただきました。コーディネーターとは、活動の参加募集と調整、円滑な活動推進の役割を担います。8つの活動ごとにコーディネーターが各1~2名おり、私は「介助ガイド活動」のコーディネーターをやらせていただきました。コーディネーターとして、次のような業務を行ないました。
(1)活動に関連した業務
 ・ボランティア派遣要請に基づく、活動内容の団員告知、活動者の募集・決定
 ・期間中に活動の追加・キャンセル等が発生した場合の対応
 ・ボランティア派遣依頼者との調整、円滑な活動の推進、クレーム対応
(2)団の運営に関連した業務
 ・入団説明会、新入団員オリエンテーション、研修・合宿
 ・介助ガイド活動ミーティング、コーディネーターミーティング
 ・活動報告書作成、予算策定
 ・団員のスキルアップ策の検討

 コーディネーターとしての1年間は、とても貴重な経験となりました。数十人の団員を派遣する大型案件の運営は、緊張感とやりがいがありました。活動期間中は依頼者や団員とのメール・打合せでとても忙しかったのですが、活動を成功させたことは自信になりました。
 一方で苦労も多く、特に依頼者と活動者の認識を近づけることの重要性を学びました。ある活動の終了後、依頼団体から電話をいただきました。「ある団員が活動の主旨を理解せず、不誠実な活動を行っていた」というクレームの電話でした。穏やかな口調ながら、とても強い不満をお持ちだということがわかりました。私は団員本人に電話をかけ、事実を確認しました。団員本人は全くそのつもりはなく、逆に依頼者からの申し出に強い不信感を抱いていました。どうやら無意識のうちに不十分な活動を行い、それが依頼者の目にはとても不誠実に映ったと推測されました。このような場合、双方の主張は食い違い交わることはありません。コーディネーターとしては、双方の気持ちを理解した上で、行き違いはあるものの結果的に不十分な活動になったことについて理解を求め、今後に向けた配慮を団として行うしかありません。
 ボランティア依頼者のニーズと活動者である団員の思いは、しばしばズレてしまうことがあります。このギャップを事前に小さくしておくのが、コーディネーターの大きな役割であるということがよくわかりました。この案件では迅速に対応できたため、依頼者との信頼関係を逆に強化できました。何かあったときの対応が信頼関係に大きく影響することも、経験できました。

 これらは、言ってみればボランティア特有のことではありません。一般の仕事や友人関係でも起こりうることです。しかし、ボランティア団体特有の運営の難しさも感じました。
 コーディネーターは、団員の様々な意見に耳を傾け、他の役員と協力してリーダーシップを発揮する必要があります。しかし、団員も役員も全員ボランティアであり、活動時間・拘束力などに限界があります。民間企業では、明確なビジョンとミッションをもって日々の業務を遂行しています。しかしボランティア団体では、皆それぞれの思いで参加しており、団をまとめるには民間企業とは全く違った求心力が必要になります。ボランティア活動には推進する仕組みとそれを支えるひとが必要ですが、その重要性と難しさを身をもって実感しました。

 充実感と限界を感じながら、たくさんのことを得た1年間でした。あのとき、半分パニックになりながらも、なんとか役目を果たせたのは、周りで私を支えてくれた人達がいたからです。その後、他の活動に軸足を移していったため、団の活動からはだんだん離れていってしまいましたが、皆さんには心から感謝しています。

ヘルパー

 ふたつめの「その他の主な活動」は、ホームヘルパー(訪問介護員)2級の資格取得です。休職中してせっかくまとまった時間が手に入ったので、この機会に取得しておこうと思いました。結果としては、「資格を取得した」以上の成果はあまりありませんでしたが、いくつか気づきもありよい経験になりました。
 気づきの1点目は、受講生の様々な思いに触れたことです。仕事を得るため(若い人、退職者、主婦など様々)、家族の介護のための知識と技術を得るため、家族の介護の経験を活かしてこれから仕事をするため、家族の介護の経験を活かしてこれからボランティアをするため、社会の主要な問題である高齢者介護について学ぶため。実に様々な動機と目的意識で、皆さん参加されていました。
 もっとも、私が一番珍しい受講生だったかもしれません。まず「40歳代の男性」は私だけでしたし、「高齢者ではなく障害者の介助を想定している」のも私だけでした。先生や受講生に「なぜ?」とよく聞かれました。

 2点目は、高齢者施設の様子を見ることができたことです。講座の最後に4日間の施設実習があります。私は老人保健施設にお世話になりました。それまでの私の経験は障害者関係のみであり、高齢者介護の経験はありませんでした。以前、他の高齢者の施設に入ったことはありましたが、実際に高齢者の介助をしたのは初めてでした。職員の方が、どのように利用者さんに接しているのか。利用者さんは、それをどのように受け止めているのか。短期間でしたが、そんな様子を垣間見ることができました。
 少し驚いたこともありました。異性によるトイレ・風呂の介助が普通であることです。女性による男性の介助だけでなく、男性による女性の介助も。個人的には、両方問題だと思いますが、少なくとも私は障害者の施設で後者は見たことがありませんでした。私も女性のトイレ介助を行いました。若い女性の障害者の介助はダメだが、高齢の女性の介助はOK?私には抵抗のあるできごとでした。

 3点目は、自分の介助が受け入れられ、自信を得たことです。昼食時に食事介助を行ったときのことです。必ず「実習生の練習台」になる利用者さんがいました。毎日日替わりでその方の食事介助を、実習生が行うのです。なぜその人だけがそうなのかはわかりません。最初の日に介助した実習生は「全然食べてくれなかった」と言っていました。次の日の実習生も「全然ダメ」とのこと。
 いよいよ私の番です。私はそれまで障害者施設でしていた様に、やってみました。恐らく認知症も発症していると思われるその方は、言葉によるコミュニケーションはできませんでした。でも私はその方に話しかけ、様子を見ながら少しずつ、一口ごとに尋ねながら勧めてみました。その結果、利用者さんはごくあたりまえのように完食してくれました。食事が終わり、お茶をのんている利用者さんを見て、職員さんが私に話しかけてくれました。「介助の経験があるのですか?」
 きっと私の技術が高かったのではなく、恐らく自信をもって利用者さんの気持ちに近づこうとしたのが、伝わったのではないかと(勝手に)思っています。少し偉そうな書き方をしてしまいましたが、私にとってはとても嬉しく自信になるできごとでした。

 これ以外にも、さまざまな活動や経験をしてきました。それらについては、元ブログである『ボランティア雑記帳』の記事をご参照ください。(下記リンクからどうぞ)
 視覚障害者ワープロ検定
 トラベルボランティア
 手話講座

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※この記事の元記事(ブログ『ボランティア雑記帳』)
 赤十字語学奉仕団(1)「入団と活動」
 赤十字語学奉仕団(2)「コーディネーター」
 ホームヘルパー2級
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