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第5章 海外の施設に住み込みで活動
 ~海外だからこそ気づいたこと~


【1】ニュージーランドでの活動

 休職させていただいて、会社員生活ではあり得ないまとまった時間が手に入ったので、「普段できないことをやろう」と考えました。そして、2年間の休職期間の一部は、海外で活動することにしました。2003年にニュージーランド(6週間)、2004年にアイルランド(2週間)で活動をしたのですが、まず、ニュージーランドの知的障害者のグループホームでの活動をご紹介します。

 ※以下、グループホームで生活しているひとは "resident" と呼ばれていたので、「居住者」と記述します。

 ニュージーランドで活動したのは、2年間の休職の1年目の夏です。国内の知的障害者の施設に5ヶ月間通った後、ニュージーランドに行きました。そこで、国内の施設での経験をふまえ、福祉先進国で同様の活動を行なうことによって、多様な知識と経験を得るとともに、「ボランティアとして自分に何ができるか」を考えることを目的に活動しました。住み込みでの活動だったので、とても密度の濃い活動であったと同時に、福祉先進国の先進的な試みにもふれることができ、とても貴重な経験でした。
 場所は「T トラスト」(ニュージーランド、オークランド郊外)です。「T トラスト」の概要は次の通りです。
・1992年設立の慈善団体。
・知的障害者6名(男性5名、女性1名)が生活している。
・10000㎡の敷地に、住居・小規模農場・家畜小屋などをもつ。
・マネージャー1名+スタッフ7名が交代で支援(昼間2名、夜間1名の体制)。

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 居住者(知的障害者)は、食事・排泄・入浴はほぼ自立していますが、支援(促し、見守り、助言)が必要でした。文字の読み書きは困難でも、話し言葉による意思疎通はほぼ可能で、家庭や環境に問題があったひとが多かったです(家族や別の施設での虐待等)。障害としては、ダウン症、自閉的傾向、てんかん発作、弱視などで、自傷行為、妄想、激昂など、精神的に不安定なひともいました。
 居住者が普段行なっている主な活動としては、デイセンターでの創作活動(織物、木工等)、成人の知的障害者対象の学校への通学、仕事(学校の清掃、ガソリンスタンド等)、アクティビティ(ヨガ、乗馬、ダンス、水泳等)、教会の慈善活動などです。

 私は、居住者の活動支援、日常生活支援(入浴、歯磨き、髭剃り、部屋の片付け)、家事(掃除、洗濯、食器洗い)家畜の世話(豚・子牛・鶏への給餌、牛・馬の移動、牧場・小屋の清掃)などを行いました。また、居住者の部屋の入替えに伴う、部屋の壁のペンキ塗りも行いました。
 倉庫の一角に、ベニヤ板で仕切られた3畳程度の小部屋を与えられました。質素ですが、ベッドと暖房器具があって必要十分なものでした。居住者と同じ食事が提供されましたが、交通費は自己負担で報酬はありません。

 「T トラスト」のボランティア受入目的は、「外部者との関わりを通じて、居住者の社会生活を高めること。」でした。私はこの期待に応えるべく、心を開いて彼らと自然にふれあうことを心がけました。彼らと一緒に活動し、彼らの部屋で過ごしたり家畜の世話を協力して行なうなどして、積極的に関わるよう努めました。彼らは私に自分の活動や生活を見せてくれ、私は彼らに自分や日本のことを話しました。最初のうちは言葉が通じにくく苦労しましたが、居住者の話で聴き取れた単語を繰り返すだけでも、とにかく言葉にすることで、彼らとのコミュニケーションを取るように頑張りました。その結果、彼らは私を友人として受け入れてくれて、最終的にはお互いに刺激を与えあう関係をつくることができたと思います。
 居住者の一人のエディ(仮名)は、庭に置いてあるキャラバン(キャンピングカー)を自分の部屋として住んでいました。夕食後に私はよく彼のキャラバンに遊びに行きました。狭い室内でCDの音楽を聴きながら、個人的な話をお互いにしました。あるとき私が、「ニュージーランドには友人がいないからなあ」と話したら、エディが「僕がいるじゃないか。僕は友人じゃないのか?」と話してくれて、とても嬉しかったのをよく覚えています。一緒にキャラバンの外で満点の星を見て、南十字星を教えてもらったりもしました。

 スタッフも、私がエディをはじめとした居住者と、個人的に関わりをもつようにしていたことを評価してくれました。スタッフが宿泊するときは、深夜に紅茶を飲みながらじっくり話す時間がありました。創設者の一人が宿泊の夜、トラストの歴史、居住者一人ひとりの特徴、ニュージーランドの障害者福祉、恋愛や性の支援について、ボランティアに期待することなどについて、いろいろ教えてもらいました、私もわかる範囲で日本のことを話すようにしました。

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 日々の現場での活動と、現地の福祉関係者の話を通じて、福祉先進国ニュージーランドの現状がだんだんわかってきました。
・基本的考え方は日本と同じである(地域生活、社会参加、本人意思尊重等)。
・「グループホーム化」は、既に数年前に完了している。
・一般の人の知的障害者に対する理解はまだ浅く偏見も多く、ボランティアは思ったほど一般化していない。
・恋愛や性についての支援は、日本より一歩踏み込んでおり、先行している。
 大規模施設に隔離されていた障害者を、数名規模の小規模な家(グループホーム)に移し、コミュニティの中で生活することを目指す動きが、当時世界的に進んでおり、日本でも同様の動きが始まっていました。この点についてニュージーランドでは、大規模施設は既に全て解体済で、障害のある人は、自宅またはグループホームなどの地域で暮らしていました。全体としては、「日本と目指す方向は同じで、発展途上の段階がやや先行している。」という印象でした。

 そのなかでも「T・トラスト」は、先進的な取り組みにチャレンジしている施設でした。ニュージーランドの現状を「グループホーム化は完了したが、生活の中身はまだ画一的であり、ひとりひとりに合った対応ができていない。」との認識に立って、次のような新しい取り組みを行なっていました。
・家庭的に・・・家族のように暮らし、日常的に家族や知人を家に招待する。
・自由に・・・本人の意思を尊重し、食事やお茶は好きなときに好きな場所で。
・個別に・・・個人の興味・希望にあわせて、日々多様な活動をする機会を提供(毎日同じデイセンターではなく、色々なところに行って色々なことをする)。
 毎日彼らと一緒に生活することにより、この特色ある試みの効果を体感することができました。

 一定期間、異文化圏において単独で生活したことは、私にとって貴重な経験でした。日用品の買物、公共交通機関、車の運転、食事、床屋など、生活の全てが刺激になりました。日本とは違う発想にふれることも多く、人々との会話は新鮮で楽しかったです。毎日スタッフの様子を見ていて、指導方法が「過度に直接的」と感じることがありました。しかし、これは手法の違いではなく、文化・言語の違いによるものかもしれないと思いました。スタッフと意見交換したのですが、結論は出ませんでした。このことも含めて、異文化での6週間は、とても興味深く刺激的でした。

 英語力については、「言葉はコミュニケーション手段のひとつに過ぎない」と考えて、自信をもって心を開いて活動することを心がけました。その結果、言葉と文化の違いを超えて、居住者やスタッフとの信頼関係を築くことができたと思います。また、不十分ながらも意思疎通はでき、英語で生活できる自信を得たのは、私にとって大きな成果だと思います。
 しかし、居住者の言葉の能力は想定していたより高かったため、言葉は最も有効なコミュニケーション手段であることも事実でした。英語力が高ければ、彼らのことをより深く理解でき、より深く関われたかもしれません。

 6週間も一緒に暮らしていると、やはり別れは辛くなりました。最終日には、居住者の何人かが競うようにお別れのスピーチをしてくれました。
 ある人は「I miss you(寂しい)」を繰り返し、普段ほとんど話さないひとも「No volunteer tomorrow(明日はボランティアがいないのか)」と何度もつぶやいていました。「So that it reminds you of us(これを見て僕らを思い出すように)」と絵葉書をくれた人もいました。私も居住者とスタッフ一人ひとりに挨拶しました。

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 今回は、視察や留学のような「知識を得ること」ではなく、障害のあるひとと同じ時間を過ごし、彼らの感じていることを共有するような、「現場で感じる」ことを目標に取り組みました。毎日寝食をともにする活動は密度が濃く、居住者の様々な側面を見ることができました。福祉先進国の状況も体感することができ、先進的な試みにもふれることもできました。
 「T トラスト」は素晴らしいところでした。スタッフは居住者ひとりひとりを尊重し、彼らの社会生活の質を高めることに、最大限の努力をしていました。ボランティアには労働力を期待せず、居住者とかかわることを求めていました。これらは直前の活動だった国内の知的障害者施設と基本的に同じスタンスでした。恵まれた環境の中で、私は国内の施設のときと同じように、彼らと自然にふれあうよう心がけ、そんな私を居住者もスタッフも受け入れてくれました。

 私は「ボランティアとして自分に何ができるか」を考えることを目的に、ニュージーランドでの活動に取り組みました。直後は「どう消化したらよいのかわからない」という状態でした。後から振り返って考えると、このとき私は国内の知的障害者施設で気づいたことが間違っていないことを確信したのだと思います。「特別なことをする必要はない。近所のおじさんとして自然につきあえばよい。それが自分にできることで、また期待されていることでもある。」
 遠く離れた異国でも、それまで考えたことが通用しました。そして、言葉も文化も民族も価値観も違うコミュニティで、彼らは私を「違うけれども同じひと」として受け入れてくれました。居住者のひとりは、私のことを「言葉もよくわからず、現地のことをよく知らない、助けてやらなければいけないヤツ」と認識して、いろいろと気を遣い、指示し、教育してくれました。現地で最も異質だったのは間違いなく私であり、知的障害のある彼らではありませんでした。

 国内の施設での活動のあと、「障害のあるひとも、周りの人と共通点と相違点がある「ひとりの人」であることに、自分となんら変わりない」と考えるようになりました。しかし、「障害のあるひとも自分となんらかわらない」のではなく、「ひとは互いに共通点と相違点がある。それだけ。」なのだ、ということがニュージーランドでの経験を通じてわかりました。そういう意味では、自分の考えに自信をもったと同時に、もう一歩深く理解が進んだように思います。

 当初は、せっかくまとまった時間が手に入ったのだから、「普段できないことをやろう」と考えて海外での活動を計画しました。しかし、結果的には海外に行ったからこそ、このことに気づくことができたのだと思います。これも、「T トラスト」という素晴らしい環境との出会いのおかげだと思います。今でも本当に感謝しています。

 このブログの元になっている別のブログ『ボランティア雑記帳』には、当時現地で毎日書いていた日記を『羊の国でボランティア』という14回のシリーズ記事で紹介しています。A6版の小さいノートに、日々の感想を綴ったもので、当時瞬間冷凍した言葉を、解凍して公開しています。不安、驚き、喜び、悲しみ、様々な感情が表現されているので、少し恥ずかしいのですが、ニュージーランドのでの活動に興味をもってくださった方は、読んでみていただけると嬉しいです。下記の青地のリンクからどうぞ。

 『ボランティア雑記帳』のテーマ「海外ボランティア」

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【2】アイルランドでの活動

 ニユージーランドでの活動の翌年、今度はアイルランドに行きました。他国のボランティアと一緒に活動し、ボランティアの難しさと意義を改めて考えることができる、とても貴重な経験でした。

 活動先は「ホリデーホーム C」で、約2週間住み込みのボランティアとして働きました。「ホリデーホーム C」の施設概要は、次の通りです。
・アイルランド全国から、障害のあるゲストが休日を楽しみにやってくる宿泊施設。
・牧草地帯の広大な敷地に、宿泊棟、食堂棟、教会、グラウンド、畑がある。
・各施設間は、屋根とガラス壁つきの渡り廊下で結ばれ、車椅子で移動できる。
・ゲスト60名宿泊可。宿泊棟には、200席のバー、会議室、パソコン室等がある。
・宿泊室には、車椅子用トイレ・シャワー、TV、電話、呼出ベル等を完備。
・車椅子リフトつき大型・小型バスを多数もち、外出や送迎に活用されている。

 ゲスト(宿泊者)は、車椅子利用者が中心ですが、知的障害者や高齢者、その家族・友人なども訪れます。障害の種類・重度はさまざまで、滞在期間は1週間程度が標準的です。介助はホリデーホームの職員、あるいは同行した職員等が行ないます。
 ホリデーホームでは、ゲストの興味に合わせていろいろな企画が用意されています。外出(買物、映画、釣り)、ゲーム(ビリヤード、卓球、ドミノ、TVゲーム)、創作活動(陶芸、絵画)、セラピー、マッサージ、スポーツ(車椅子スラローム、ラケットベース、オリエンテーリング)、夜のイベント(生演奏、カラオケ、DJ、クイズ、ゲーム)などです。

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 今回一緒に活動したのは、海外からのボランティアである次の4人です。イギリス人(女性、40歳代、無職)、ドイツ人(男性、20歳代、学生)、イタリア人(女性、10歳代、学生)、日本人=私(男性、40歳代、休職中)。
 部屋は相部屋で、食事は提供されますが、交通費は自己負担で報酬はありません。主な仕事は、ゲストの介助、企画やイベントの運営、食堂の補助です。最も期待された役割は「ゲストとの交流」です。異なる文化をもつゲストとボランティアが一緒に活動して交流し、互いに刺激しあうことを求められました。いつ何をするかは各自に任され、朝8時から深夜12時までの間に適宜休憩をとりながら、「ゲストとの交流」を中心に自発的に活動することを求められました。

 ゲストとの交流に際しては、これまでの経験をもとに、心を開いて自分を出し、よく話を聞くよう心がけました。異文化をもつことを強みと考えて、日本文化を紹介するツール(小道具)を多数持参しました。これらは交流のきっかけづくりに、みごとに機能しました。持って行ったのは、日本紹介の本、折り紙、筆ペン、日本茶、箸、扇子、和凧、竹とんぼです。
 折り紙は、海外で日本文化を紹介する定番ツールですが、中でも評判がよかったのは「紙風船」です。「紙風船」はそれなりに複雑な折り方で、時間をかけて作っていきます。見ているゲストは「いったい何ができるんだろう」という気持ちで、私の手や表情を見ています。そして最後に「フッ」と息を吹き込むと、パッと折り紙が膨らんで「紙風船」が出来上がります。すると見ていたゲストは、一瞬だけ静まり返った後、満面の笑みで拍手喝采してくれます。これは絶対お勧めですから、機会がありましたら是非お試しください。
 他には、デジカメで動画を撮るのもコミュニケーションには役立ちました。スポーツをしているところを撮影して後で見せると、大喜びで一気に距離が近づきます。
 このように、英語力不足は絵、写真、身振り手振り、ツールなどさまざまな方法で補いました。しかし、ゲストは1週間で入れ替わるため、信頼関係を築く意味ではやや交流機関が短いと感じました。国内の施設では5ヶ月間、ニュージーランドでは6週間でしたので、余計短く感じたのかもしれません。

 仕事の時間と内容は「基本的にフリー」と言われていました。「ゲストとの交流」をメインに、その他は仕事の例を提示されるだけで、明確な指示はありませんでした。
 私は自分の役割を「異文化でゲストに刺激を与えること」と考え、主にこれに注力しました。ボランティアとは自分で役割と居場所を考え、自分と相手の双方に有意義な関係をつくりだして活動すべきものです。私はこれまでもそう考えていたので、「基本的にフリー」なこの活動に違和感なく取り組めました。一方で、他のボランティアは自由であることに不安を覚え、いつどこでなにをすべきかの指示を求めていました。また、「ゲストは仲間同士で楽しんでおり、自分は必要とされていない」と感じるボランティアもいました。他のボランティアの悩む姿を見て、私たちは休憩時間にいろいろと話し合いました。私は持論を話してみたのですが、いまひとつ彼らとは噛み合いませんでした。「ボランティア」は、ひとによって捉え方がさまざまです。彼らとの議論は、ボランティアの本質を再認識させてくれました。

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 ニュージーランドでは単独での活動でしたが、今回はバラエティに富んだメンバーとともに活動しました。他の3人のうち2人は常識と良識があり、活動中もよく話し合って助け合うことができました。1人は意欲と責任感に欠けているように思いましたが、それもボランティアの多様性なのかもしれません。全体としては多様なメンバーが補い合い、よいチームだったと思います。
 初日と最終日にミーティングが開かれ、活動への期待と、終了後の評価を話し合いました。4人ともそれぞれの思いで参加していることがわかり、興味深い機会でした。若い時期の経験のため、視野を広げたい、語学の上達、新たな自分探し、等々です。「真面目に、しかし気軽に、そして楽しむ」が共通のキーワードのように感じました。

 知識を得るための視察ではなく現場での活動でしたが、機会を見つけてはゲストやスタッフから、この国の福祉現場の様子を聞かせてもらいました。障害者の権利擁護についての講演とゲストによる討論会に出席しましたが、目指していることや現在の取り組み状況は、概ね日本と同様でした。 ホリデーホームは、本人の休日と家族の休息の両面から有効で、日常生活を営んでいる入所施設から離れて、休日を楽しむことに徹していることがポイントだと思いました。
 そして、音楽を愛する国民性から、老若男女が障害の有無に関わらず、車椅子利用者も一緒に、毎晩バーで歌とダンスを楽しんでいるのが印象的でした。夕食後は毎晩日替わりのイベントが開かれるのですが、どれも結局最後は歌と演奏とダンスになります。私も日本の歌謡曲を披露しましたが、たまにしか歌わない私とは違って皆さん本当に音楽が大好きで、日々の生活に音楽が溶け込んでいました。歌やダンスは「うまく」ではなく「楽しく」しているように見えて、とても羨ましく思いました。

 アイルランドでの活動を振り返ると、次の点がポイントだったと思います。
・自分の役割を自分なりに実行し、能力と特性を生かした貢献ができたと思う。
・ひと相手のボランティアは、継続と信頼関係が重要であると、改めて感じた。
・ボランティアの難しさと意義を改めて考え、自信が深まったことは大きな収穫。
・ホリデーホームの実際の様子を見て、休日の重要性を再認識した。
・外国人として様々な立場の人と協力することで、新しい発見ができた。

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 ニュージーランドと合わせた二度の海外での活動を通じて、違いに対する感情とそれが差別に結びつく仕組みが、少し見えたような気がします。現地で最も異質だったのは外国人である私であり、障害のある彼らではありませんでした。異質な者の立場で暮らすことにより、違いというものをひとがどう感じるかがわかりました。
 ひとはどうしても違いに注目しがちです。違いを認識することで自分の位置を確認する癖があるようです。私も当然その傾向があります。大切なのは、自分にもそういう傾向があることを知っていることではないでしょうか。知っていれば、自分の感情を客観的に捉えて、どうしたらよいかを考えることができるように思います。そんなことを、海外の活動を通じて感じました。

 そして、地域での活動の重要性も再度認識しました。海外でのボランティアは、視野を広げたり新しい発見もできてとても有意義です。二度の海外ボランティアは私にとってとても素晴らしい経験となりました。しかし、ボランティアの基本は地域での活動だと思います。自分が生活するコミュニティで、できることをしていくことはとても大切だと、海外で活動してみて改めて感じました。

 ニュージーランドと同様に、別ブログ『ボランティア雑記帳』で、当時アイルランドの現地で毎日書いていた日記を『音楽の国でボランティア』という9回のシリーズ記事で紹介しています。そのとき現地で私が感じたことをそのまま書いたものです。上記のような綺麗ごとだけでなく、少しドロドロした気持ちも書かれています。ご興味のある方は、読んでみてください。下記の青地のリンクからどうぞ。

 『ボランティア雑記帳』のテーマ「海外ボランティア」

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【3】海外ボランティアの探し方

 「海外でのボランティア活動は、どうやって探したのですか?」
 「私も海外で活動したいのですが、どうやって情報を探せばいいのですか?」
という質問をよくいただきます。
 そこで、私がニュージーランドとアイルランドの活動を、どのようにして探したかをご紹介します。

 私はまず、本とWeb(インターネット)で情報収集をしました。知り合いによい経験者やアドバイザーがいれば別ですが、そうでなければこの2つが有力な情報源です。図書館や本屋で関連図書を探すと同時に、国際協力団体の事務所などに行って、資料や書籍を集めたりしました。そのなかで、私が一番活用したのは次の本でした。

<「国際ボランティアガイド」(パックストン美登利 著、ジャパンタイムス編)>
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 著者は、NGOから国連まで国際ボランティア経験豊富な方です。内外の172団体の特色と活動内容を、詳しく紹介しています。中身は、自分の目的とスタイルにあわせて活動を選べるように、工夫した構成になっています。各団体の活動情報は、内容・地域・期間・応募方法・必要な資格・語学力レベル等の基本情報の他に、「私たちはこんな人を求めています」、「ボランティアを通して学べること」、「ボランティア以外の支援方法」といった項目もあり、活動のイメージが掴めるようになっています。また、情報収集の方法、メール・FAXの書き方、現地に着いたら、などの具体的な手順も記載されており、初めての私には心強かったです。
 ただし、この本は既に絶版になっています。Amazonでは初版が中古で販売されていますが、かなり古い情報ですのでお勧めできません。1円(送料別)なので、どんな活動があるのかをザッと眺めてみるだけならよいかもしれません。(2015年現在)
 この本に相当する内容の新しい本も出ています。下記あたりから、ご自身に合った本を読んでみてはいかがでしょうか。



 私は、「国際ボランティアガイド」で候補をピックアップし、Webで詳細を確認して絞り込んでいきました。その結果、以下の2団体に決めました。
(1)INVOLVEMENT VOLUNTEERS ASSOCIATION INC.
(2)NICE 日本国際ワークキャンプセンター

 両方とも個別の活動ではなく、ボランティアを求めている世界各国の様々な活動と、活動を探しているボランティアとを結びつける役割をしている団体です。国際協力の分野ですと、日本のNPOがボランティアを直接現地に派遣して、現地にもスタッフがいる場合があります。しかし、社会福祉の分野では、そのような団体はほとんどありません。そのため、この2つのような団体に、現地の活動を紹介してもらうのが、方法のひとつとなります。したがいまして、これで活動が決まったわけではなく、このあとこの団体を通じて具体的な活動を決めていくことになります。

<IVIへの提出書類の1ページ>
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 (1)のIVIは豪州のNPOで、Webページや手続きは全て英語になります。IVIは選択肢が多いのが特徴です。活動分野も多種多様ですし、期間も1週間程度の短期から1年以上の長期まであります。国や地域も世界約30ヶ国の活動を紹介しています。私は、幸運にも「T トラスト」という素晴らしい活動に恵まれました。ただ、活動に当り外れはあるでしょう。できれば事前によく確認したり、不備は現地で交渉できる英語力があればベターだと思います。申込み自体は、簡単な英語ができれば可能です。

 手続きの流れは以下の通りです。
・Webページで、分野別・国別の活動一覧表を見る。
 Webページはこちら → IVIトップページ
・個別の活動の詳細を確認して候補を探す。(期間・都市・内容・資格・費用・宿泊など)
・定型用紙(登録用紙、履歴書、添え状)に記入する。
・希望する活動があれば具体的に書く。(私は4つ書きました)
・書類と写真をIVIに送り、登録する。(メールorFAXor郵送)
・希望の活動の参加可否の連絡が届く。
・不可の場合は代替案が提示される。
・活動が決まったら、申込金を払込む。
・活動の60日前までに、残金を支払う。
・現地の連絡先等の詳細資料が届く。
・現地へ行って活動する。

<NICEの冊子「世界のワークキャンプ」>
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 (2)のNICEは日本の団体ですので、語学が苦手な方も利用しやすいと思います。日本でワークキャンプを主催する一方で、海外の団体が主催する国際ワークキャンプに、日本人を派遣しています。こちらは日本語のWebページがありますので、内容や手続きはそちらをご確認ください。
 Webページはこちら → NICEトップページ

 NICEの特徴は次の通りです。
・日本語のリストから活動を選べる。
・日本人の過去の参加者の情報を参考にできる。
・活動前に、オリエンテーション等がある。

 NICEは、海外のNPOが主催する活動を日本で参加者に紹介し、現地への橋渡しをする役目を果たしています。逆に言うと、現地でのフォロー等はなく、トラブル等の対応は現地のNPOとの間で行うことになります。日本語による現地でのフォローを期待する方は、日本の団体が現地スタッフを抱えている活動を検討する必要があります。しかし、そういった活動は当然費用が各段に高くなります。また、NICEの利用者は若い人が多いのですが、現地に行くと参加者は多様ですので、年齢は気にする必要はありません。日本でのオリエンテーションでは、私がダントツの年上でしたが、現地では私より年長者がいました。

 私が活動したかった福祉分野は、日本の団体が現地でのフォローもしているケースはほとんどありません。現地でのフォローがある活動は費用が高かったり、語学習得が主な目的の場合も多いので注意が必要です。
 まず、「目的は何か」「何をしたいのか」「何を期待して行くのか」を明確にすることが大切です。そして、じっくりと時間をかけて情報収集し、焦らずに選ぶことが大切だと思います。

 最後に、海外ボランティアのリスクについてです。海外での活動は様々なリスク(危険)を伴います。現地の治安・気候・病気・文化・民族・宗教等について、十分理解することが重要です。仲介の団体、現地の組織、現場のスタッフ、それらをとりまく様々な人々のなかには、良い人も悪い人もいます。最悪の場合、生命の危険もあります。それ自体は国内でも同じですが、国内とは違うことも多いことは、十分認識しておく必要があります。私が今回紹介する組織や人も、完全に信用できるとは限りません。ご自身で十分注意して検討し、活動してください。

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※この記事の元記事(ブログ『ボランティア雑記帳』)
 海外ボラの探し方(1)「本を参考に」
 海外ボラの探し方(2)「IVI」
 海外ボラの探し方(3)「NICE」
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