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第9章 ボランティア入門
 ~できることからはじめましょう~


 この章では、これからボランティアをはじめようとしているひとに、「ボランティアのはじめ方」と「ボランティアの心構え」を中心にお伝えします。
 「人の役に立つことをやりたい」、「関心はあるけど踏み出せない」、「第二の人生を充実させたい」、「どんな活動があるの?」、「どうやって始めればいい?」、「私にもできるかなぁ」・・・そんな疑問にお答えします。
 そしてこの章を読み終わったとき、「ふぅん、なんか楽しそう」、「私にもできそうな気がしてきた」、「試しに何か始めてみようかな」、「新しい自分に出会るかも」・・・と思っていただけたら嬉しいです。

・夏の風景3

【1】ボランティアのはじめ方

 ボランティアの意義はひとそれぞれです。一般的には大きく分けて二つだと言われています。①社会問題の解決(ボランティアの活動によって、既存の組織や制度とは違う機能を発揮することによって、社会問題の解決に貢献する)。②生きがいのある豊かなくらしづくり(活動者本人が新しい自分を発見でき、人生を豊かにする)。
 年代や属性によっても、変わってきます。学生や主婦などにとっては、「自分探し」、「将来役立つ経験」、「もう一度社会で活躍する場」。ミドル(勤労者)にとっては、「仕事と家庭以外の世界」、「定年後の自分の居場所」。シニアにとっては、「第二の人生を充実させるための有力な選択肢」。もちろん一概には言えませんが、このような意義があるのではないでしょうか。
 私の場合は勤労者でしたので、「仕事と家庭以外の世界をもつこと」を意識してはじめました。そして、そのうち「自分にとってなくてはならない生きている証」になっていき、そろそろ「シニアになった後の自分のよりどころ」にもなりつつあります。
 まずははじめてみて、活動を続ける中で自分にとってのボランティアの意義を見つけて、自分に合った活動を広げていくのがよろしいかと思います。

 さて、ボランティア活動の分野には、どのようなものがあるのでしょうか。
 環境(地球温暖化、生物多様性・・・)、国際協力・国際交流(貧困、医療・・・)、防災・被災地支援(復旧、復興・・・) 、地域(産業、まちづくり・・・)、教育(育児支援、不登校、ニート・・・)、文化・芸術(伝統文化・・・)、福祉(高齢者・障害者・・・)、人権(女性、LGBT・・・)など、実にさまざまな分野があります。
 そして、活動のかたちもさまざまです。岡山県社会福祉協議会のwebページには、次のように分類されています。
 あつめる(募金、ベルマーク)、ふれあう(施設訪問、国際交流)、つたえる(伝統芸能、地域史)、おしえる(学習指導、遊び)、ひろめる(情報発信、イベント)、まもる(調べる、3R)、つくる(点字図書、小物)、てつだう(介助、運営)、ととのえる(美化、節約)、かえる(自分、周囲、社会)
 自分がどの分野に興味があるのか。そして、どのようなかたちの活動が好きなのか。自分の興味と適性に合った活動を探すとよいと思います。

 それと、「特技を活かして活動する」のか、それとも「敢えて経験のない新しい世界に挑戦する」のか、という選択もあります。
 「特技を活かす」というのは、パソコン、語学、経理、音楽、技術などの仕事や趣味の得意分野を活用して、ボランティア活動で貢献するというものです。最近は「プロボノ」という言葉がよく聴かれるようになりました。勤労者が本業のスキルを使って、ボランティア活動を行うものです。例えば、「デザイナーのひとが、NPOのイベントのチラシ制作を支援する」、「経理部門のひとが、事業報告書の決算を手伝う」というようなことです。企業で働くひとは、マーケティングとマネジメントのスキルが高いことが多いので、NPOや市民活動の企画や運営で、貴重な存在になることも多いようです。
 一方で、「新しい世界へ」というのは、敢えてそれまで経験や知識のなかった世界へ飛び込んで行って、新たな能力や気づき、人脈などを築いていく、というものです。私自身はこちらでした。全く経験がなかった障害者支援の世界に入って、知らないことや初めてのことばかりの毎日はとても刺激的でした。そして、新たな自分に出会えて人生も変わってしまった、そんなことがありうるのが、こちらの選択肢です。
 「特技を活かす」と「新しい世界へ」。どちらもアリです。どちらを選ぶかはあなたしだいです。

・新緑と道

 ボランティアをはじめようと思ったら、まず「①何ができそうか考える」→「②情報を収集する」→「③ひとに会って話を聴いてみる」→「④実際にやってみる」という順番で、活動に入っていくとよいと思います。
 「①何ができそうか考える」は、前述の「興味のある分野」と「好きな活動のかたち」から考えるとよいでしょう。
 「②情報を収集する」は、webで検索するのが情報量としてはもっとも豊富です。関心のあるキーワードで検索すると、多種多様な活動がヒットします。情報量が多いので、地域名や複数のキーワードで検索するとよいと思います。「東京ボランティア市民活動センター」のような、いわゆるポータルサイトの利用もお勧めです。
 地域の情報を入手するには、ボランティアセンターに行くのが最適です。各市町村のボランティアセンターには、多数のチラシが置いてあり、担当者が相談にのってくれます。どのような活動に興味があるか伝えると、具体的な団体やイベントを勧めてくれるでしょう。はじめてのひともたくさん来ていますので、気軽に話しかけてみましょう。
 「③ひとに会って話を聴いてみる」は、知り合いに誘われたり、ボランティアセンターに紹介してもらったりして、活動しているひとに会ってみることです。会って話してみると、団体や活動の雰囲気が伝わってきます。相性は意外と重要ですので、とにかく話して感じてみるとよいと思います。イベントに行ってみて、そこにいたメンバーのひとに活動内容を教えてもらうのもよいと思います。イベントにはメンバーが多数いますし、取り扱っている人や物に触れることができる場合もあり、より理解が深まる場合があります。
 「④実際にやってみる」は、見学させてもらったり、試に数日間手伝わせてもらったりすることです。とにかくやってみることは大切です。「一度入ってしまうと抜けにくいのでは?」と心配するひともいるかもしれませんが、万一活動が自分に合わなければ、「ごめんなさい、やっぱり私には少し合わないようなので」と断れば、「またなにかのときによろしくね」とわかってもらえます。嫌な気持ちでボランティアは続きません。断ることも大切です。

 「ボランティア体験講座」や「ショートボランティア体験」などのイベントもあります。最初にボランティアの心構えなどを教わって、実際に活動している先輩の体験談を聴いて、その後に団体や施設などに行って、短期間体験する、というようなイベントです。他にも多数の受講者がいるので、心強いし参加しやすいかもしれません。

 いずれにしても、誰か相談できる人がいるとよいと思います。既にボランティアをしている知人でも、ボランティアセンターの職員さんでもよいので、話しを聴いてくれるひとをもつと安心して活動を探せます。私の場合はそのような知人がいなかったので、全て自分で体当たりで探していきました。ですからなおさら、相談できるひとの大切さを感じました。誰もいなかったら私が相談にのりますので、お声かけください。

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【2】ボランティアの心構え

 ボランティアをはじめるに当たって、知っておいた方がよい「心構え」にはどんなことがあるでしょうか。
 よく、次のようなことが言われます。「挨拶をする」、「約束・時間を守る」、「秘密を守る」、「コミュニケーションを大切にする」、「協力する」、「周囲の理解を得る」。
 しかし、これは「ボランティアの心構え」ではありません。何をするにも必要な「あたりまえのこと」です。中学生や高校生なら部活や委員会活動、社会人であれば仕事をするときの心構えとしても同じことが言えます。ですから、これは前提としてあたりまえの必須事項です。

 では、ボランティア特有の「心構え」は何でしょうか。私は一言でいうと「両方OK」だと考えています。
 ①相手がOK・・・相手が活動を望んでいる。迷惑でない、負担に感じていない。相手が受け入れてこそできる。
 ②自分もOK・・・自分が活動を望んでいる。活動していて楽しい、満足している。無理していない、断ることができる。
 ボランティアは、「両方OK」で初めて成り立つものだと思います。
 ※ここでは、主に相手が存在するひとと関わるボランティアを想定しています。中には当てはまらないボランティア活動もあるかもしれません。

・協力小

 私は「両方OK」ではないボランティアを「困ったボランティア」と呼んでいます。「困ったボランティア」には、「相手がOKでない編」、「自分がOKでない編」、「相手も自分もOKでない編」の3種類があります。

 まずは「相手がOKでない編」です。
 ①押しつけるボランティア・・・被災地で「手伝いに来ました。ここ片づけますね。」などと言って、相手の了承を得ずに自分の判断で家の中の物を移動したり処分したりすると、相手が混乱したり大切な物がなくなったりします。また、被災地に古着などを勝手に送ってしまう行為も、善意からだとは思うのですが、現地が混乱していると仕分けなどが負担になる場合があります。本当に必要な物を優先的に届けるようにしたいものです。

 ②いばるボランティア・・・「助けてるんだから、感謝されてあたりまえ」という気持ちで活動するのはよくありません。初期の被災地は混乱していて、ボランティアのコーディネートが機能しずらい状況では、ボランティアに活動を指示するのに時間が必要な場合があります。そんなとき、「休みを取ってわざわざ来たのに、こんなに待たせるとはどういうことだ」などと、不平を言ってしまうボランティアがいます。状況によって自分にできることを探して、協力して貢献したいものです。

 ③おせっかいなボランティア・・・高齢者や障害者のサポートをする場合に、「私がやりますからいいですよ」とか「危ないからそんなことしちゃダメ」などと言って、相手の行動に口出ししてしまうひとがいます。ご本人の意思を尊重して、必要なことをサポートするようにしたいものです。だばこを吸う、ギャンブルを楽しむ、アイドルのグッズにお金をかける、などについても、ボランティアの価値観はさておき、相手の意思を尊重すべきと考えます。(「愚行権」と呼ぶひともいます)

 続いて「自分がOKでない編」です。
 ①言えないボランティア・・・頼まれると断れずに、無理して頑張ってしまう。辛いのに、楽しいふりをしてしまう。これでは長続きしませんし、無理していると相手に伝わります。相手に伝わると、相手は遠慮して活動を受け入れてくれなくなります。自分には難しかったり、向いていない活動の場合は、「ごめんなさい、それはできません」と率直に伝えることも大切です。

 ②燃え尽きるボラ・・・頑張り過ぎて倒れてしまい、支援される側になってしまう場合があります。かえって相手に負担を増やしてしまったのでは、なんとも残念です。また、全てを背負おうとして頑張ってしまっても、当然のことながらひとりでは全部は解決できず、無力感から活動を離脱してしまうひともときどきいます。自分にできることを無理せず続けることで、結果的により大きな貢献ができるようにしたいものです。

 最後は「相手も自分もOKでない編」です。
 指示待ちボランティア・・・具体的な指示がないと、自分は必要ないのではないかと不安になるひとや、「せっかく来てやったのに仕事がない」と怒り出すひとがいます。情熱と勇気をもって活動に臨んだのに、活躍の場がないと残念になる気持ちはわかります。しかし、仕事や活躍の場は、状況をみて自ら探しだしたいものです。

・外国人小

 では、このような「困ったボランティア」にならないためには、どうしたらよいのでしょうか。
 「相手がOK」であるためには、①相手の気持ちを知ろうとする、②知ったらそれを尊重する(たとえ自分と違っても←ここ重要です)、③活動できることに感謝する、の3点に気をつけるとよいと思います。
 一方「自分がOK」であるためには、①全部自分で解決しようとしない、②できないことは誠意をもって断る、③役に立てなくてもがっかりしない、④自分の居場所は自分で見つける、を心がけましょう。
 「両方OK」で楽しくボランティアをしたいものです。

 「ボランティア」というと、「正義感や責任感から活動している」、「自分を犠牲にして他人のために働いている」、「優しい心と強い信念をもっている」、「普通の人にはできることではない」、というイメージが一般にはあるのではないでしょうか。
 しかし私は、「ちょっとしたキッカケで始めた」、「自分にできることをやっている」、「やっていて楽しい」、「誰にでもできることだ」、と思っています。
 自然体で活動して、長く楽しく続けてほしいと思います。

 私は、ボランティアを縁があって始めて、楽しくて続けてます。同じような人が増えたらいいなと思います。
 いかがでしょうか。この章を読み終わって、「ふぅん、なんか楽しそう」、「私にもできそうな気がしてきた」、「試に何か始めてみようかな」、「新しい自分に出会るかも」、と思っていただけたでしょうか。不安が期待に変わりはじめていたら、とても嬉しく思います。そして、できることからで結構です。できることからはじめましょう。そして、自分のスタイルをつくっていきましょう。そして長く楽しく続けましょう。

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